これまで積み立て投資のアドバイスを『積立投資のすべて ──誰にでも始めやすい富裕の王道を徹底研究』を参考にして書いてきました。それも今日で最後です。
今回は、積み立て投資を継続するための心構えを書きます。それは鈍感であるということです。
標準偏差(ボラリティ)と相関係数を気にしない
では、何に鈍感であればいいのか。それは投資の成績を占う要素となる。標準偏差(ボラリティ)と相関係数です。
これらは以前の記事でも紹介していましたね。
年齢に応じたリスクを考えた上で、もっと具体的に、いくらまでなら損しても耐えられるかを計算で導きだしていきましょう。そこで必要なのが「標準偏差」です。高校や大学受験の偏差値でも使われている概念です。
全体の受験生の平均点から「どれくらい離れているか」を示すのが偏差値ですが、投資の世界の標準偏差もよく似ていて「平均値からの変動幅」を表します。
投資信託の1年間の想定最大損失額は、この標準偏差を利用してはじき出す事ができます。
引用元:投資ではリターンよりもリスクを重視する!許容できる最大損失額を求めよう
相関係数は、2つの数値があって、一方が変化すれば、もう一方がどのように変化するのかを表す数です。1に近ければ、それらの値は連動して動き、-1に近ければ、逆の動きをします。
関連記事:REITとは利回りの高い不動産投資信託です、ということをJ-REITの役割と共に説明してみます
関連記事:資産運用で必要!リスクに応じた9つのアセットアロケーションまとめ
積み立て投資では、これらの数値を気にしないことが大切なんだそうです。
相場のボラティリティは刻々と変化しており、その計測時期や計測期間によって変動することが分かる。いいかえれば、ある一時点で切り出したボラティリティを意識しすぎても、意味がないといえる。
さらにいえば、ポートフォリオの資産配分を一定の比率に維持し続けても、そのボラティリティは一定ではない。厳密に維持しようとするなら、常に最新の情報でボラティリティを算出して、そこから組み合わせを考えるべきであろう。
実はボラティリティに限らず、資産運用業界が用いている指標は、計測期間によって異なる結果になるものが多い。それはプロ同志でコミュニケーションをとるうえで有益な場合もあると思うが、個人投資家がそこまで気にしすぎる必要はないと感じることもある。
個人がポートフォリオを組む場合、ボラティリティや相関係数を絶対視しすぎないほうがいい。参考程度にとどめておくのが無難だ。
積立投資を続けていくうえで大切なのは、ある種の「鈍感力」である。相場はコントロールできないと認識し、多少の短期的なブレや資産配分のズレは気にしないことだ。
自分の基本となる比率を決めて、それから20%程度ずれたら、見直しをすればいい。そこに不安を感じる人は、ライフサイクルファンドに投資をするのも一案といえる。
「世界経済全体の成長をとらえる」という発想をもち、地道に続けていく心構えが大切だ。積立期間の終了が近づいてきたら、暴落を回避するために少しずつ安定的な資産にシフトするなどの策を打てばよい。
このようにして、積み立て投資では、いい意味での鈍感力が大切なのです。よくよく考えれば、積み立て投資というのは30~40年で資産を築くものですから、その瞬間の数値を気にしてもしょうがないのです。
ですので、こうしたことを頭に入れて資産運用に取り組みましょう。これにて、積み立て投資の話に一度区切りをつけます。これまで、紹介してきた積み立て投資の事柄に目を通していない方は、以下にリンクをまとめるので、読んでおきましょう。
一度読んだ方も復習がてらどうぞ。
それではまた!(Twitterでフォローする→@turuturuouzi)