エリオット波動は、相場における価格変動を一定の周期の波として捉えて、相場の予測やトレーダーの心理状況を把握できるテクニカル分析理論です。
「エリオット波動ってなんだか難しそう」
「エリオット波動をどのようにFXで使えばよいのだろう」
FXにおけるエリオット波動と聞くと、上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか？
結論として、エリオット波動は難しいテクニカル分析理論ではなく、トレード初心者の方でもすぐに取引へ取り入れられます。
しかし覚えておくべき原則や、利用する際の注意点があるので、利用前にしっかりと確認しておく必要があるのです。
この記事ではエリオット波動について詳しく解説していきます。
・エリオット波動を利用したFXトレード手法がある
FXはみんなのFXで有利に取引でます。
当サイト限定のキャンペーンで最大1,010,000円もらえてお得なので、まずは無料で口座を作っておきましょう！
この記事の目次
エリオット波動とは価格変動を周期の波として捉える理論
エリオット波動は、アメリカのテクニカルアナリストである「ラルフ・ネルソン・エリオット」によって開発されたテクニカル分析理論です。
エリオット波動では、市場価格が特定の波動パターンに従うという考えの基、相場における価格変動を一定の周期の波として捉えます。
価格変動を周期の波と捉えることで、これからの相場価格の動きを予測したり、市場参加者の心理を理解したりするために役立ちます。
もともとエリオット波動は、株式相場で利用されるテクニカル分析理論でした。
他の金融市場でも共通の考え方を用いることができると分かり、FXの取引場となる為替相場でも利用されるようになりました。
エリオット波動は5つの上昇波と3つの下降波から成り立つ
エリオット波動の基本的な理論は、市場価格は5つの上昇波と3つの下降波から成る周期的な波動パターンを形成するということです。
相場価格は上昇、下降を繰り返して変動します。
エリオット波動とは、このような相場の上昇、下降の一連の流れを長期的にみると、5つの上昇波と3つの下降波のパターンになるという理論なのです。
上記の画像は上昇トレンドを想定した画像ですが、下降トレンドの場合も考え方は同じです。
またそれぞれの波は異なる特徴があり、読み取れる市場参加者の心理も異なります。
それでは上昇波、下降波それぞれについてみていきましょう。
5つの上昇波
エリオット波動における5つの上昇波は、下記画像のように1〜5の数字でラベリングされます。
5つの波にはそれぞれ以下のような特徴があります。
まだ上昇トレンドの初期であるので、波の長さは短い傾向にある。
1波を見た後の新規買いや損切り注文などにより価格が伸びるので、3つの推進波の中で最も長くなる傾向にある。
トレンドの最終局面を迎える直前のため、市場参加者の心理が入り乱れてた持ち合いを形成する傾向にある。
1波から保有しているトレーダーの利益確定が入る可能性が高く、どこまで伸びるかの見極めが重要。
3つの下降波
エリオット波動における3つの下降波は、上昇波と同様、下記画像のようにA、B、Cのアルファベットでラベリングされます。
3つの波にはそれぞれ以下のような特徴があります。
A波だけでトレンド終了を判断するのは困難。
一時的に価格が上昇するが、トレンド継続とはならない。
多くのトレーダーの決済注文、新規の売りエントリーによりこれまでのトレンドが崩れる。
エリオット波動における3つの原則
エリオット波動を利用する際は、以下の3つの原則を抑えておきましょう。
2波は1波の起点を下回らない
4波は1波の高値を下回らない
エリオット波動における3波は、トレンドの初動（1波）を見たトレーダーの新規エントリーが行われるので、トレンドの中でも最も主要な波となります。
したがって同じ上昇の波である1波、5波の中で最も短くはなりません。
また2波は1波の起点、4波は1波の高値を下回りません。
ダウ理論において、「上昇トレンドは安値を下回らず高値を更新し続ける」と定義されているように、トレンド発生の条件として定められている原則となります。
上記3つの原則全てが成立している場合のみエリオット波動が成立する可能性があります。
しかし原則は最低条件であり、3つの原則全てが成立しているからといって必ずしもエリオット波動が成立するわけではないことには注意が必要です。
ダウ理論とエリオット波動は異なる
エリオット波動理論の中身を見てみると、ダウ理論とほとんど同じではないかと勘違いする方もいるかもしれませんが、両者は異なります。
ダウ理論は、現在の相場がトレンド相場なのか、レンジ相場なのかを見極めるのに役立つ理論です。
一方でエリオット波動は、相場の波をパターン化した上で、将来どのような値動きが起こりうるのか予測することを重視しているのです。
すなわち、ダウ理論は相場の把握を重視している点、エリオット波動は今後の価格予測を重視している点で異なります。
エリオット波動を見つけるのに役立つインジケーター
エリオット波動は黄金比率と相性の良いテクニカル理論として知られています。
FXで使われる黄金比率を基にしたインジケーターとして知られているのが以下の2つのインジケーターです。
フィボナッチ・エクスパンション
エリオット波動において「フィボナッチ・リトレースメント」は修正波（2波・4波）を推測する際に役立ちます。
修正波の推測には、フィボナッチ・リトレースメントの23.6%、38.2%、50.0％、61.8%のラインが用いられます。
またフィボナッチ・エクスパンションは推進派（3波、5波）がどこまで伸びるのかを推測するために役立つのです。
フィボナッチ・エクスパンションでは、161.8％のラインが用いられます。
エリオット波動を利用したFXにおけるトレード手法
エリオット波動を利用したFXにおけるトレード手法として、3波を狙ってトレンド方向へ順張りする方法を紹介していきます。
エリオット波動における3波は、トレンド中の最も主要な波になり、値動きも大きくなる傾向にあります。
したがってエリオット波動初心者の方にとって、まず3波を利用してトレンド方向へ順張りする方法が最も利益を狙いやすいのです。
エリオット波動における3波を狙うトレード手法としては、以下の2つがあります。
2波が反転したタイミングでエントリー
それぞれ解説します。
その1：3波が1波の高値を超えた時点でエントリー
1つ目は、1波の高値を超えたタイミングで順張りエントリーをする方法です。
まずは2波が1波の安値を下回らず、反転したことを確認します。
そして3波が、1波の高値を超えたタイミングをトレンド継続とみなしてエントリーを行います。
高値を上回った後でのエントリーとなるので、少しタイミングが遅いのではないかと感じる方もいるかもしれません。
しかし3波はエリオット波動の中でも長い波となるので、波の途中からのエントリーとなっても十分に利益が狙えます。
その2：2波が反転したタイミングでエントリー
2つ目は、2波が反転したタイミングでエントリーする方法です。
3波が1波の高値を超えることを確認するよりも、もう少し有利な位置でエントリーを行いたいという方もいるでしょう。
そのような場合は、修正波である2波の押し目や戻りの終わりを推測し、3波の始まりを狙ってエントリーをしてみてください。
2波がどこで反転するのかの基準としては「フィボナッチ・リトレースメント」を用います。
事前に1波の起点から先までフィボナッチ・リトレースメントを引いておき、
23.6%、38.2%、50.0％、61.8%の位置で価格が反転するのではないかと予測を立てます。
価格が反転するかどうかの見極めが必要となりますが、ダブルボトムやダブルトップなど、他のチャートパターンと組み合わせることで、より取引精度を高められます。
3波を狙うトレード手法における決済の基準
3波を狙ったトレード手法における決済の基準はさまざまありますが、まずは3波の終了地点を予測して決済を行うのがよいでしょう。
3波の終了地点を予測する際には、フィボナッチ・エクスパンションを利用してください。
また3波の終了後、一旦修正波を挟み、さらに5波によって価格が伸びる可能性があります。
したがって3波の終了地点でポジションの1部を決済して、残りのポジションはさらに価格が伸びることを期待して、保有し続けることもおすすめです。
FXでエリオット波動を利用する際の注意点
FXにおいてエリオット波動は、相場の予測やトレーダーの心理状況を把握するために役立ちますが、
波動の識別やラベリングが主観的になってしまう可能性があります。
相場が上下しすぎると、トレーダーによって波のカウント数が異なることがあり、後から見てやっと波動の識別ができることが問題視されているのです。
しかし、エリオット波動が後付けの理論であり、全くトレードで使えない理論であるというわけではありません。
移動平均線やボリンジャーバンドのような他のインジケーターと、ダウ理論を組み合わせることで、よりトレードの精度を高められるのです。
またエリオット波動を利用する時間軸にも注意が必要です。
エリオット波動はフラクタル構造を持っているので、複数の時間軸を確認することで、より俯瞰的に波動を見極められるようになります。
エリオット波動を利用する際は、時間軸や他のテクニカル分析を用いて、複合的に相場を把握するようにしましょう。
【まとめ】エリオット波動での勝つ方、活用方法
エリオット波動について、基本や原則、具体的なトレード手法から利用する際の注意点に至るまで詳しく解説してきました。
エリオット波動は、3つの基本的な原則と、波のカウント方法さえ抑えておけば、初心者の方でもすぐに利用できるテクニカル分析理論です。
しかしエリオット波動においては波をカウントする以上に、その時々におけるトレーダーの心理状況を把握することも大切です。
トレーダーの心理を把握したうえで、エリオット波動を利用してポジションを保有することで、より有利にトレードを進められるのです。
エリオット波動の波のカウントは主観的になる恐れもあるので、他のインジケーターや複数の時間軸を活用して、より複合的に相場を分析してみてください。