この記事では、FXでのショートについて解説します。
ショートの意味や仕組みなどを初心者の方にもわかりやすく説明します。
ショートについて理解したい方、オススメの取引手法なども知りたい方は参考にしてください。
・ショートでは、スワップポイントのサヤどりも狙い目
・ショートではスワップポイントの支払いに注意
・ショートでは下落時を見極めるのが難しい
・2023年、売り目線の通貨はトルコリラなどの新興国通貨
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この記事の目次
FXのショートとは？活用方法は？
まず、FXのショートを説明します。
FXのショートとは空売りのことで、新規で売りポジションを取ることです。
この説明だけでは理解が難しいと思いますので、ショートと空売りについて、さらに詳しく説明していきます。
（ロングと比較すると説明しやすいので、合わせて解説します）
ロングとショートの違いを比較
まず、FXや信用取引などではロングとショートの2つの注文方法があります。
「ロング」は「買い」であり、上昇で利益を狙います。
「ショート」は「売り」であり、下落で利益を狙います。
ロングは「買い」でイメージしやすいと思いますが、ショートは「売り」で「空売り」を意味しています。
空売りというものは商品を保有していない状態で売り注文をすることです。
では、空売り、つまり「商品を保有していない状態で売る」についても詳しく説明します。
空売りの仕組みは「借りて売る」
空売りの仕組みは、所有している人からドルなどの外貨を借りて、すぐに市場で売るというもの。
そして、売った外貨を安くなった時に買い戻して、元々の所有者に返します。
外貨を借りていますから、借金をしているのと同じことで、借りている間はその所有者に利息を払う必要があります。
利息は払いますが、それ以上に下落幅で利益を取れたら儲かるというのが空売り（ショート）の仕組みです。
【具体例】FXのショートの仕組み
次に、FXのショートの仕組みを具体的に説明します。
FXでは通貨ペアを使ってショートをし、2つの通貨を売買することになります。
通貨ペアの具体例は、米ドルと日本円のペアの米ドル/円です
米ドル/円でロングするということは、日本円を売って米ドルを買うことを意味します。
米ドル/円でショートするということは、米ドルを売って日本円を買うことを意味します。
この場合、金利差があれば営業日ごとにスワップポイントが発生していきます。
ショートポジションでのスワップポイントとは？
そもそもスワップポイントとは、2つの国の金利差から生まれる利益、または損失額です。（以下の動画で詳しく解説しています）
「買った通貨の国の金利 – 売った通貨の国の金利」で金利差を求め、差がプラスの場合はスワップポイント受け取りとなります。
一方で、金利差がマイナスになれば、スワップポイントの支払いになります。
たとえば、米ドル円であればアメリカの金利が4.25%で、日本が-0.1%なので、金利差は4.35%になります。
この状態で、米ドル/円で買っていると、レバレッジ1倍で年利4.35%の金利収入が得られます。
一方で、米ドル円で売っていると、4.35%の金利の支払いが発生してしまいます。
ショートする際は、こうしたスワップポイントの支払いに注意です。
FXのショートでおすすめのやり方
次に、狙い目のFXのショート手法を紹介します。
とても大事なことなので、ぜひ参考にしてください。
まず相場の大きな方向性を把握する
手法を知る前に大前提として、相場の大きな方向性を知ってからトレードしていきましょう。
たとえば、今後は下落でほぼ間違いないと思えるくらいの材料を見つけてからショートを狙います。
政策金利やGDP、雇用・経済状況などファンダメンタルズを見て、大局を予想します。
具体的には「金利が下がりそうな国の通貨を売り、金利が上がっていきそうな国の通貨を買う」といった感じです。
ロングでも同様ですが、大きな方向性はしっかり確認しておきましょう。
ショートの手法1「移動平均線を見る」
では次に、ショートの具体的な手法を紹介します。
ショートの定番手法としては、移動平均線を活用するものがあります。
移動平均線は、テクニカル分析・チャート予想の代表として使われます。
※移動平均線などの詳細は以下の動画でチェックしてください
移動平均線では、一定期間における終値の平均値の変化をチャート上にグラフで表しています。
今の相場が上昇トレンドにあるのか、下落なのかを把握しやすく、
移動平均線の傾きでトレンドの勢いなどもわかります。
※移動平均線の傾き（向きとその角度）が特に大事です
移動平均線での売買サイン
移動平均線を使った分析で特にわかりやすいのは、
「短期の移動平均線（オレンジ）」と「長期の移動平均線（緑）」を使ったゴールデンクロスとデッドクロスです。
「短期のオレンジ線」が「長期の緑線」を下抜けたら売りサインでデッドクロスと言います。
逆に、「短期のオレンジ線」が「長期の緑線」を上抜けたら買いサインでゴールデンクロスと言います。
デッドクロスは新規注文なら売りタイミング、利確なら買った後の売り決済のタイミング。
ゴールデンクロスは新規注文なら買いタイミング、利確なら売った後の買い決済のタイミングです。
これを知っておくと、ショートのタイミングの目安がわかります。
手法2「スワップポイントのサヤどり」
ショートを活用する手法としては、スワップポイントのサヤどり（アービトラージ）があります。
サヤどりは、FXの異業者2つを使って、買い・売りの両建てをし、それぞれのスワップポイントの差分で儲ける投資。
例えば、AというFX業者で買い（ロング）ポジションを持ち越した場合にもらえるスワップポイントが1日100円とします。（1万通貨）
BというFX業者では、売り（ショート）ポジションを持ち越した場合、10円の支払いが発生します。
この場合、Aで買いで1万通貨保有し、Bで売りで1万通貨保有したら、1日でその差分の90円がゲットできるわけですね。
こんな感じで、2つのFX業者を使って、ポジションを維持してるだけで利益が得られるのです。
これがスワップポイントのサヤどりであり、値動きでの損をなくせるメリットもあります。
ロング、ショートともに同じレートで注文するため、値動きでの損益はゼロになります。
つまり、予想も不要であり、楽ですし放置OKなので、初心者の方でも始めやすい手法になっています。
FXのショートでの注意点
次に、FXのショートでの注意点を紹介します。
注意点は円が絡むドル円やポンド円などのクロス円でショートをすると、スワップポイントの支払いが発生することです。
最近はアメリカ、EU、イギリスなど主要国で金利が上がる中、日本ではゼロ金利を維持したままです。
この状態なので、ドル円などでショートしていると、日々スワップポイントを支払うことになります。
特に、米ドル円やNZドル円では金利差から日々の支払いが多くなっていますので、その分成績がマイナスになります。
クロス円でショートする際は、ポジションを長い間持ちすぎないことも心がけると良いでしょう。
FXのショート・空売りは難しい？
次に、「FXのショートは難しいのか？」という話をしていきます。
一般的にショートは以下の理由で難しいと言われています。
・下落すると思いきや、価格が上がり損をしてしまう（ダマシに遭う）
一般的に「下落時は、投資家の恐怖心理から、上がる時より3倍も下落スピードが速い」と言われています。
なので、下落のタイミングをしっかり見ていないとトレンドがすぐ終わり、その後の急騰で損をすることもあります。
下落が続く時間は短く、すぐ終わってしまうので、上昇時よりはトレードが難しいです。
こうした点から、ショートは中級者以上に向いてるとも言えそうです。
2023年はショートが狙い目な通貨
次に、2023年にショートが狙い目な通貨を紹介します。
1番わかりやすく、今後もショートで利益を狙えそうなのはトルコリラです。
トルコリラは長期で下落、つまりトルコリラ安が続いており、今後も下落トレンドが想定されます。
一時的な急騰はありつつも、今後も国の財政問題など不安が多く、ファンダメンタルズからは売りと判断できます。
また、2023年以降は世界的なリセッション入りも予想されており、トルコリラのような新興国通貨にとっては不安材料です。
景気がいいときは投資家がリスクを取れるので、金利の高い新興国通貨を買う傾向にあります。
しかし、リセッション入りすれば、投資家はリスクの低い米ドルなどの通貨を買い、トルコリラのような新興国通貨を売ります。
2023年以降はこのような状況が想定されるため、トルコリラをショートするのが1つの戦略になりそうです。
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【まとめ】為替のショートとは？意味を解説
最後に大事な点をまとめます。
・ショートでは、スワップポイントのサヤどりも狙い目
・ショートではスワップポイントの支払いに注意
・2023年、売り目線の通貨はトルコリラなどの新興国通貨
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